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社内や職場の健康・スポーツ推進活動

【Vol.17】社員の健康づくりを通じて、安全安心な鉄道運行と地域活性化を実現(東武鉄道株式会社)

投稿日時:2024.10.16

東武鉄道株式会社

企業紹介

東武鉄道株式会社(墨田区)は、東京、埼玉、群馬、栃木、千葉の1都4県に鉄道網を展開する鉄道会社で、沿線距離は関東の私鉄では最長の463.3kmに及びます。
基幹事業である鉄道事業のほかに、不動産開発や流通、観光事業なども展開し、地域社会の発展に広く貢献しています。

活動紹介

東武鉄道では「安全安心な鉄道運行には、社員の心身の健康が不可欠である」との信念から、令和3年(2021年)10月に「健康宣言」を制定。職場での体操の実践、階段利用促進等による「生活習慣病予防」や「計測機器設置等による測定の習慣化」などに積極的に取り組んでいます。

同時に、沿線地域で少年野球大会・少年サッカー大会(いずれも性別に関わらず参加が可能)を後援するなど、スポーツ振興を通じた青少年の育成活動にも力を入れています。今回は、主な取組の概要やメリットなどについてお話を伺いました。

お話を伺った皆さん(左から 東武鉄道株式会社人事部課長補佐の小林哲郎さん、東武博物館館長の山田智則さん、人事部診療所副所長の小髙聖太郎さん、人事部課長の遠藤航也さん)

約50年継続!「働く人の体操」で心身をリフレッシュ

「働く人の体操」を行う社員の皆さん

東武鉄道本社では、毎日午後3時になると、オフィスフロアに軽快なメロディーが流れます。これは同社で昭和51年(1976年)から約50年にわたって行われている「働く人の体操」の始まりの合図。メロディーが始まると約600人の社員やスタッフが一斉に業務の手を止め、約3分半の間、メロディーに合わせて体操を行います。

「働く人の体操」は、デスクワークが中心の社員の運動不足解消を目的に導入されたもので、音楽・体操は公益財団法人国民健康つくり運動協会が考案したものです。
人事部課長補佐の小林哲郎さんによると、「音楽はオリジナルのものをそのまま利用していますが、体操についてはオリジナルの手順をベースに、各社員が自己流にアレンジして取り組んでいます」とのこと。立ち上がって屈伸運動をする人、座ったまま肩や首を回したり上半身を伸ばす運動をする人など、それぞれが思い思いに体操に取り組んでいます。

東武鉄道人事部課長補佐 小林さん

「ベースとなる体操を意識しつつも、その日の体調や気分に合わせて思い思いに体を動かせばよいとされているので、体操の順番などを正確に覚えていなくても無理なく取り組むことができます。この良い意味での『気軽さ』が約50年間もこの体操が続いている理由の一つかもしれません」と小林さん。

東武鉄道人事部課長 遠藤さん

人事部課長の遠藤航也さんも、「新入社員のときは、15時になるといきなり音楽が流れて周囲が一斉に体操を始めるので驚きましたが、先輩社員に基本的な動きを教わって見よう見まねで行っているうちに、すっかり体操が毎日の習慣に。
今では15時になってメロディーが流れると、ごく自然に立ち上がって運動をするようになりました」と振り返ります。
「ほんの3分半ですが、体操のリフレッシュ効果は絶大です。特に業務に煮詰まっているときなどは、体操をすると良い気分転換ができるので、結果的に業務の効率化にも繋がっているのではないかと思います」。

健康意識を醸成、自己管理が可能な職場環境を目指す

社内に設置している血圧計

東武鉄道では、健康体操以外にも社員が日常的に健康意識を醸成できる仕組みを整えています。その中の1つが、各職場への計測機器(血圧計、体重計)の設置と「血圧・体重記録帳」の配布です。

東武鉄道人事部診療所副所長 小髙さん

人事部診療所副所長の小髙聖太郎さんは、「計測・記録の習慣化は健康管理の基本。習慣を身に付けると、自身の健康状態への関心が高まるので体調の変化に気付きやすくなり、結果として病気や不調の早期発見・早期治療に繋がります」と説明します。
一定の条件を満たした社員にはインセンティブを与えるなどして、計測・記録の習慣化を促しています。その甲斐あって、2023年には全社員の約3割が血圧・体重の記録を実践しているそうです。

「血圧・体重記録帳」を社員全員に配布

このほか、オフィス内の階段に1段上るごとに消費できるカロリーの目安を表記。エレベーターを使わずに階段で移動するメリットを実感しやすくすることで、日常的な運動不足解消を促しています。

階段に消費カロリーを表記し、利用を促す

スポーツ振興を通じて沿線の子どもたちの健やかな成長に貢献

サッカー大会

また、沿線地域での取り組みとして、東武博物館主催のもと、平成20年(2008年)度から、スポーツ振興を通じた青少年の健全育成等を目的として、東武鉄道杯少年野球大会・少年サッカー大会を開催しています。
大会の運営は、東武鉄道社員のボランティアによって支えられており、少年野球大会では参加選手に小児用PASMOを贈呈するなどして、開催地への移動を通じた公共交通機関利用にあたってのマナー啓発にも取り組んでいます。

社内のボランティアスタッフによる設営の様子

 

野球大会

東武博物館の山田智則館長は、「大会は東武鉄道の沿線を地区ごとに分けて(野球3大会、サッカー4大会)行い、さらに各地区の優勝チーム等は中央選手権大会に出場できます。1都4県のチームが一堂に会する中央選手権大会は、いわば「関東大会」のような規模で行われ、通常の地区大会では対戦できないチームと戦えることもあって、子どもたちには憧れの大会でもあり、お互いの地域に興味・関心を持つきっかけともなっているようです。」

「また、当社の社員にとっては沿線の子どもたちと直接交流できる貴重な機会であると同時に、スポーツの魅力を再認識する機会でもあります。これからもスポーツを通じて沿線の輪を広げ、子どもたちの健やかな成長に貢献できるよう活動の充実を図っていきます」と話しています。

東武博物館館長 山田さん

スポーツ大会の表彰式

また、本大会は子どもたちが東武鉄道への興味・関心を持つきっかけとしても、大きな役割を果たしています。
人事部課長の遠藤さんによると、「大会の表彰式では、沿線の駅長等からメダルを授与しているのですが、後日、子どもたちが駅を表敬訪問してくれるなど、大会後の交流にも繋がっています。大会の思い出とともに、駅員を始めとした社員との交流の思い出が、東武鉄道への愛着に繋がったのか、同大会への出場経験のある子どもが成長して、当社に入社するケースも珍しくありません」とのこと。

「私たち社員もボランティアとして本大会に参加できることを楽しみにしています。いきいきとプレーする子どもたちの笑顔からパワーをももらい、やりがいを感じながら大会運営をサポートしています」。

健康経営とスポーツ振興を通じて、持続可能な経営を目指す

東武鉄道では、2021年に制定した健康宣言の中でも、「社員が心身ともに健康でいきいきと働くこと」が、企業の持続的な成長にも繋がっているとしており、東武鉄道グループの中期経営計画2024~2027においても、「健康で長く働き続けられる環境整備の継続」を計画の一つに掲げています。

遠藤さんは、「鉄道の安全安心な運行には社員の心身の健康、そして沿線の皆様のご理解とご協力が不可欠です。引き続き会社と社員が一丸となって、社員の心身の健康づくりに積極的に取り組むとともに、スポーツ振興を通じた沿線地域の皆様との交流、地域活性化に取り組んでまいります」と話しています。

インタビューした企業

東武鉄道株式会社

サイト
https://www.tobu.co.jp/

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